IDEXX SDMAリソースセンター
検査結果の解釈とネクストステップ
SDMAの検査結果の解釈
20㎍/dL以上
SDMAの値が20µg/dL以上の場合は、包括的な尿検査を行います。腎臓病を発症している可能性があるため、プロトコルに従い直ちに対処しましょう。
プロトコルを使用する
IDEXX SDMAアルゴリズム
SDMA*濃度の上昇は、糸球体濾過率(GFR)の低下を反映しています。原発性の腎臓病と合併症などの続発性の「腎障害」の双方が、SDMA濃度の上昇を引き起こします。このアルゴリズムに従ってSDMA濃度の上昇について調査し、急性、進行中、または慢性の「腎障害」が存在するか判断してください。またこのアルゴリズムは、SDMAの上昇について、プロトコルに基づくさらなる「検査」、管理、モニタリングにも使用できます。
「SDMAの高値」により特定されたGFRの低下の「検査」、管理、観察の第一ステップ
「検査」
基礎疾患、治療可能な状態、合併症、慢性腎疾患(CKD)の発症の有無
基礎疾患
- 尿路感染症(UTI)または腎盂腎炎
- 腎毒性物質(NSAIDs、エチレングリコール、ユリなど)
- 急性腎障害 (AKI)
- 全身性高血圧
- 慢性腎臓病(CKD)
検査
- 尿の培養および薬剤感受性検査
- 感染症検査
- 腹部の画像診断
- 尿中蛋白クレアチニン比 (UPC)
- 血圧
関連する状態の評価
- 水和状態
- 甲状腺の状態(猫)
管理
基礎疾患の治療、評価した腎障害の管理、治療プロトコルの調整
適切な治療の実施
- 基礎疾患(腎盂腎炎、感染症など)
- 脱水
- 腎毒性のある薬剤の中止 (例: NSAIDs)
- 高血圧
- 蛋白尿
治療のサポート
- 清潔で十分量の水の提供
- 必要に応じて腎臓療法食を給餌
麻酔プロトコルの調整
- 静脈または皮下輸液
- 周術期における酸素の供給
- 疼痛の管理
モニター
結果の管理と観察
腎臓マーカーのモニター
以下の傾向の検査
- SDMA、BUN、クレアチニン、リン
- 尿検査
- 血圧
GFR低下、安定
SDMAが高値のまま安定
- GFRの低下は継続しているが、安定
- CKDであることを考慮し、IRISのガイドラインに従いステージと治療を確認
- 適切な支持療法とモニタリングを実施
GFR低下、進行性
SDMAが持続的に上昇
- 進行性腎障害
- 再検査や追加検査を検討
- 支時療法の継続
GFRの回復
SDMAが基準範囲内に復帰
- GFRの回復
- 適切な治療への反応
- 代償機構
- 6か月~1年以内に再検査
アルゴリズムとプロトコルの印刷版を入手する
IDEXX SDMAアルゴリズムを使用して結果を解釈する
SDMAは高値だが、その他の指標は正常な場合
IRISガイドラインに従い、ステージ分類と慢性腎臓病の治療を行いましょう
SDMAの正常範囲を教えてください。
SDMA濃度が基準範囲より少しでも上昇した場合(猫と成犬では15µg/dL以上、子犬では17µg/dL以上)は有意であると考えられます。
SDMA濃度の上昇は、糸球体濾過率(GFR)の低下を反映しています。原発性の腎臓病と合併症などの続発性の腎臓損傷の双方が、SDMA濃度の上昇を引き起こします。
カタリストSDMAスライドを再注文する方法を教えてください。
本製品に関するお問い合わせ、ご購入希望等は、ゼノアック営業担当者にご依頼ください。
SDMA検査は院内でも、検査サービスでも利用できます
院内でのカタリストSDMA検査はその他の血液化学検査項目と同時測定することができます。(IDEXX カタリストOne、動物用一般医療機器・臨床化学分析装置)
SDMAは、IDEXX検査サービス全ての血液化学検査セットに含まれます。
注:SDMAは対称性ジメチルアルギニンです。
すべての参考資料を、次のWebサイトからご覧いただけます。IDEXX.com/sdma
ここに含まれる情報は、一般的なガイダンスを提供することのみを目的としています。他の診断または治療と同様に、各患者を診断する際には、羅患歴、身体状況、全ての検査データを含む徹底的な評価に基づいて、臨床的考慮をもって行うようにしてください。薬物治療またはモニタリングプログラムに関しては、製品の取扱説明書に記載された投与量、適応症、薬物相互作用、および注意事項に関する詳細をご確認ください。診断と治療の最終的な決断は主治獣医師の責任です。